2016.01.16
プリンセスコネクト!サービス終了から考えるソーシャルゲームの動向とそこから見えてきた狙い目とは
2016年1月7日にこんな残念なニュースが流れました。
サイバーエージェント、スマホRPG「プリンセスコネクト!」終了へ リリースから1年半
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1601/07/news120.html

実際のところは、ガールフレンド(仮)は、2015年12月18日時点でユーザー数700万人を突破し(https://www.cyberagent.co.jp/newsinfo/info/detail/id=11460)、順調に運営を行っています。一方で、「プリンセスコネクト!」は、コラボレーションやポイントサイトの利用で、一時的に順位の上昇、いわゆるブーストを行ってユーザーを確保しようとしてきました。ただこのようなコラボレーションであったり、ポイントサイトの利用というのは、一時的なものであり、期間が終了してしまえば、一気にアクティブユーザーを減らしてしまうのです。コラボレーションの企画であれば、イベント開催中にゲームの良さを伝えることができればなんとかなるかもしれませんが、ポイントサイトを利用したユーザー層の獲得は、かなり難しいでしょう。
その根拠としてあげられるのが、ユーザーがプレイするソーシャルゲームの数です。
平均4本、中には10本以上も・同時に遊んでいるスマホゲームは何本?
http://www.garbagenews.net/archives/2127651.html
引用始め
ボリュームゾーンは1本から3本。この領域で約2/3。ちょっとした時間潰しにはパズルゲーム、それなりに時間が取れる時にはロールプレイングゲームといった形で複数のゲームを遊ぶにしても、多くは3本位までに留めているようだ。それ以上の数になると、1本当たりに傾注する時間が少なくなり、個々のゲームに投入する時間不足を覚えてしまうのだろう。あるいはいずれもすき間時間を埋めるためのゲームで、そのタイプのゲームはそれほど多くは求めていないのかもしれない。ちなみに平均本数は4.2本。
引用終わり
ここでも書かれているように、ソーシャルゲームをプレイしている人の65.4%が3本いないです。10本以上の人がいるということもあり、平均は4.2本ですが、あまり多くなると、一本にかける時間が少なくなってしまうでしょう。また、2015年12月にGameBank株式会社が行った調査では、1日のプレイ時間で最も多かったのが15分以内、平均プレイ時間にすると41.0分、多い日で58.2分という結果でした。逆に平均で3時間以上プレイするという人は全体の3%、多くやる日があるという人でも6.1%という結果でした(http://sp.oshiete.goo.ne.jp/club/view/cbe1b603c1fbc6a66207a12734da8239)。この結果から考えてみても、ライトに複数のソーシャルゲームを遊ぶということはあっても、複数タイトルで毎回、イベントに参加し、課金をするというくらいプレイしているという人はほとんどいないことがわかります。
もう一点がゲームのジャンルです。ユーザーが実際どんなゲームをやり、どんなゲームにハマっているのでしょうか。
2016年1月の売り上げランキングを確認すると、モンスターストライク、Fate/Grand Order、パズル&ドラゴンズ、LINE:ディズニーツムツム、グランブルーファンタジー、白猫プロジェクト、LINE:ポコポコ、星のドラゴンクエスト、アイドルマスターシンデレラガールスターライトステージ、妖怪ウォッチぷにぷに
(引用元https://play.google.com/store/apps/category/GAME/collection/topgrossing?hi=ja)
傾向としてジャンルは、パズル4、ロールプレイング4、アクション1、音ゲー1という割合です。加えて有名版権を使っているタイトルが5となっています。また、Game Bankの調査では、これまでやったゲームのジャンルとハマったゲームのジャンルに関して調査がされています。

配信元 http://sp.oshiete.goo.ne.jp/club/view/cbe1b603c1fbc6a66207a12734da8239
パズドラ人気もあって、ランキングと同じようにパズルの人気が圧倒的ですね。このグラフから、いい意味でユーザーのニーズがある程度確保されているジャンル、一方で、競争の激しいジャンル、上位のシェアがほぼほぼ決まってしまったジャンルということが言えます。
今回のプリンセスコネクト!の不振に関して見てみると、ガールフレンド(仮)がカードゲーム、プリンセスコネクト!がRPGというジャンルで分けられていました。しかし、どちらもアピールのポイントとして打ち出していたのが、美少女と声優とストーリーということです。そのため、一番のリピーターと成り得るサイバーエージェントのゲームをプレイするユーザーが二番煎じと感じ、平行プレイを敬遠してしまった。また、RPGとしての魅力を伝えきれなかったことでの新規ユーザーの獲得ができなかったということです。今のソーシャルゲーム業界において、どんなに大手でもユーザーとゲームのコンセプトがマッチしない限り、どんなに豪華な声優を使おうが、どんなに広告を打ち出そうが売れないという証明となる出来事となってしまいました。

逆を言えば、ユーザーのニーズとゲームのコンセプトがマッチしたらまだまだチャンスがあるのではないでしょうか。例えば、今まで遊ぶことが少なかったゲームのジャンルで、スポーツやレースがあります。その割に、ハマる割合では順位を4つもあげているのです。このことから、ソーシャルゲームをやるユーザーのニーズをまだまだ汲み取れきれていないのではないでしょうか。スポーツやレースゲームをやっている人たちがどんな年代で何を求めているのでしょうか。それを汲み取ったゲームを考えたのちに、そういう人たちがどのような場所を利用し、どのような宣伝方法を使えば効果的に伝えられるかを考えることができれば、ランキング上位に食い込むようなチャンスはまだまだあると思います。